ワクチン接種部位について(皮下接種の場合)

予防接種

ろくです。

ワクチン接種(皮下接種)の部位について調べてみました。

複数本の接種の場合だと同側の上腕外側に2本接種することがあります。

上腕外側に2本接種する場合、下1/3部分に上と下で接種するパターン・横に接種するパターンをみてきましたが、どちらも実際は2.5cm以上あけるのは結構難しいと感じています。

そのため上腕以外にも大腿部、三角筋部に皮下接種が候補になります。

今回改めて、ワクチンの皮下接種について今まで調べたことをメモとして残しておきます。

① 日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方によると、

1)複数のワクチンを1つのシリンジに混ぜて接種しない。
2)皮下接種部位の候補場所として、上腕外側ならびに大腿前外側があげられる。
3)上腕ならびに大腿の同側の近い部位に接種する際、接種部位の局所反応が出た場合に重ならないように、少なくとも 2.5cm 以上あける。

日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方 2020 年 11 月 24 日 改訂より

この文章からすると、ワクチンの皮下接種には「上腕外側」と「大腿前外側」の2箇所が候補としてあげられています。
ただ図からは上腕接種部に「三角筋中央部」と記載があり、三角筋中央部も接種候補とも読めます。

②”「同時接種・接種間隔」について 中 野 貴 司( 川崎医科大学小児科 )
平成29年4月27日(木) 第18回厚生科学審議会 予防接種・ワクチン 分科会 予防接種基本方針部会” の資料によると、

「同時接種・接種間隔」について 中 野 貴 司 より

と、あります。
やはり、三角筋中央部は皮下接種部位として問題なさそうです。

③ CDC(Centers for Disease Control and Prevention )のVaccine Administrationの項をみると

Subcutaneous Route (Subcut)

For infants younger than age 12 months, a subcutaneous injection is usually administered into the fatty tissue of the thigh, although the upper outer triceps area of the arm may be used if necessary. For persons age 1 year or older, subcutaneous injections are given in the fatty tissue above the upper outer triceps of the arm.

https://www.cdc.gov/vaccines/pubs/pinkbook/vac-admin.html

皮下接種は12ヶ月未満であれば大腿か上腕三頭筋、1歳以上であれば上腕三頭筋と記載があります。
皮下接種の候補部位に三角筋中央部の記載はありませんでした。

なおCDCはアメリカ疾病予防管理センターのことです。

以上から、ワクチンの皮下接種は上腕外側・三角筋中央部・大腿部に接種で問題はなさそうです

今後も調べてみます。

なお接種部位ではないですが、「日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方」によると

同時接種について現在分かっていることとして以下のことがあげられる。
1)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンに対する
有効性について、お互いのワクチンによる干渉はない。(注)
2)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの有害事
象、副反応の頻度が上がることはない。
3)同時接種において、接種できるワクチン(生ワクチンを含む)の本数に原則制限はない。

注:例外として、13 価結合型肺炎球菌ワクチンと髄膜炎菌結合型ワクチン(メナクトラ®)
の同時接種で、一部の血清型の肺炎球菌に対する抗体価の上昇が減弱することが報告
されている。

日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方 2020 年 11 月 24 日 改訂より

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